嵯峨狂言の創始については、一般に十万上人が大念仏として始められたものです。釈迦堂の大念仏は、弘安2年(1279)の始行と伝えられ、応永(1414年頃)にはすでに恒例化していたことが知られています。 この大念仏に狂言がともなうようになった確実な時期は分かっていませんが、保存されている女系面 に、「嵯峨大念仏 天文18年(1549)3月6日(花押)念」と刻銘があり、壬生、閻魔堂狂言等との関連からみて、この頃には大念仏に狂言がともなっていたと考えられます。しかし、確実な資料からみて、嵯峨大念仏狂言が、定例の行事として充実していくのは、近世(およそ1638年頃)に入ってからのようです。